生きているミュージアム!?

 

先日、大阪府吹田市にある

生きているミュージアム 「ニフレル」に行ってきました!

 

www.nifrel.jp

 

ニフレルは「感性にふれる」をコンセプトとしていて、私たちの感性を刺激するような体験ができる新しいジャンルの施設だそうです。

動物園と水族館と美術館をミックスしたようなミュージアムで面白いコンセプトですね!

 

既存の動物園や水族館よりも、より「魅せる」ことを重要視していて、7つのテーマごとに展示方法に工夫があります。

 

しかし、順路後半の「みずべにふれる」と「うごきにふれる」は少し展示方法に問題があるのでは…?と感じました。

ひとつひとつ見ていきたいと思います。

 

【みずべにふれる】ゾーン

小さい水槽が続くゾーンを抜けると、開放感のある空間と水辺特有の臭いに迎えられます。

こちらのゾーンでは大型の水棲生物であるワニやカバが飼育されています。

ワニは狭い場所で身動きができずかわいそうです。

 

ここまでは普通の水族館とそれほど変わりませんが、ふと見上げると…

ホワイトタイガーが!

頭上にある狭く細い通路のような檻の中でぐったりしたように寝ていました。

どうやら水辺にも降りて来られるようですが、これが本来の生息環境に近いと言えるのか疑問ですね…。

 

泳ぎがうまいという特徴があるホワイトタイガーですが、普段は草原で暮らしています。

外の新鮮な空気を吸い、自由に体を動かし、新鮮な肉を食べます。

もちろん動物園という時点で自然と全く同じにするということは不可能ですが、少しでも本来の生息している環境に似せて、動物がストレスなく暮らせる環境を作るべきであると私たちは考えています。

 

人工物と水辺しかない狭い空間

流れ続ける音楽と人々の声

ガラス張りで常にたくさんの視線に晒されざるを得ない環境

 

みなさんはどのように感じますか?

 

タイミングが悪くホワイトタイガーの食事を見ることはできなかったためお伝えできませんが、どうやらご飯のあげかたも問題がありそうです。

興味のある方はぜひご自身で検索してみてください。

「ニフレル ホワイトタイガー エサやり」ですぐヒットすると思います。

 

【うごきにふれる】ゾーン

ホワイトタイガーのことで少し暗い気持ちになりながら次のゾーンに足を踏み入れました。

どんな工夫があるのかな、と見回していると、当たり前のように鳥が放し飼いにされていました。鳥たちはあちこちに糞をしたり自由に生活していて、そのためかこのゾーン内は独特な匂いが漂っていました。

 

キツネザルの展示エリアは柵がなく、小さい子供でも飛び越えられるほどの堀で囲まれているだけです。またアート性を求め、展示エリアの中に絵などを飾っておりキツネザルの生活するスペースとして適切とは言えない環境でした。

 

そして、このゾーンの最後は衝撃的なものでした。

直径5~10メートルほどの水槽内に、ペンギンとペリカンが一緒に飼育されていたのです。

いくら生息域が似ている2種でも野生ではこの距離で長時間一緒にいることはないでしょう。

このことが原因かは定かではありませんが、何匹かのペンギンは羽が抜け落ちていました。

 

このゾーンはこの「近さ」が売りのようですが、明らかに動物にとってはストレスです。

動物がいれば近くで見たい!触ってみたい!という気持ちを抱くのはおかしいことではありません。しかし、動物に興味があり好きである方ならばこそ、動物の気持ちを今一度考えてみてほしいです。

 

知らない人に近くに来られたり、触られたり、追いかけ回されたら多くの人は嫌だなと思うと思います。

動物も同じです。

 

そのように見えない動物たちもいるかもしれませんが、こういった環境にいるよりは、ずっとずっと野生に近い環境にいるほうがストレスなく過ごせるのです。

 

動物の飼育のエキスパートである動物園が、動物のストレスを考えずに、人間を「魅せる」ことを重視した展示をすることはやってはならないことだと思います。

 

「触れる」という体験をする場所として、猫カフェなどにも通ずる問題ではないでしょうか?

 

まとめ

今回の記事では

生きているミュージアム 「ニフレル」

の展示方法に対する私たちの考えを述べてきました。

 

私たちの記事が、

「そういう考え方もあるのか!」

「確かに変かもしれない」

「何もおかしいとは思わないけど」

とみなさんが考えたり議論したりするきっかけになったら嬉しいです。

 

そして今回よりリアルな現状を伝えるために動画を制作しました。

ぜひ見てみてください!

 

youtu.be

猫専門病院!

 

こんにちは!

Love Animalsです :)

 

今日は猫たちの健康診断のために猫専門病院に伺いました。 

猫”専門”病院? 聞きなじみのない方が多いのではないでしょうか?

そこで、日本ではあまり浸透していない”専門”病院について紹介したいと思います。

どんな病院なの?

本日伺ったのは、東京都千駄ヶ谷にあるCat Hospitalさんです。

こちらは、アメリカのカリフォルニア州にあるT.H.E.Cat Hospitalで研修を受けた先生がよりよく猫を診療したいと思い、1995年開業した猫専門の病院です。

 

病院内はアットホームな雰囲気で、病院特有の堅苦しさがなく、猫も人間もリラックスできる環境です。

先生方もユーモアたっぷりで、安心して診察をしていただくことができました。

楽しく会話しながらも的確なアドバイスを頂け、飼い主としても獣医学生としても勉強になることが多かったです。 

専門の動物病院って他にある?

今回伺ったCat Hospitalさんは猫の専門病院でした。
他にはどのような動物の専門病院があるのでしょうか。


まずは、東京都豊島区にある、みわエキゾチック動物病院さんです。
こちらの病院はエキゾチック動物専門の動物病院です。

エキゾチック動物にはいくつかのが定義がありますが、ここではウサギやフェレット、鳥や爬虫類などの、犬猫以外の動物を診療対象としています。

現在ペットとして増えているハリネズミやフクロモモンガなども対象です。さらにはサル類までカバーしています。

多くの獣医師が在籍し、チーム医療をしています。

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続いて東京都足立区にある、鳥と小動物の病院 falconestさんです。 

こちらの病院は日本初の猛禽類専門の動物病院です。

こちらの病院の特徴は、診療時間にあります。デリケートな猛禽類がいつ体調を壊しても良いように夜間診療にも対応しています。

院内設備も整っており、鳥類ではダチョウクラスまで入院可能だそうです。

鳥それぞれに合った温度、照明時間の設定をしており、それぞれに寄り添った治療を提供しています。

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専門病院のメリットは?

一番のメリットは、より専門的な獣医療を受けられるということです。

 

例えば、ウサギなどのエキゾチックアニマルは犬や猫に比べると飼育数が少ないため、経験豊かな獣医師が限られてしまいます。

専門病院には圧倒的に同種の患者数が多く来院するため、より経験豊かな先生が診察にあたります。先生の莫大の経験の中から、それぞれの患者さんにベストな治療方法を、多くの選択肢から導き出してくれるのです。

 

また、犬や猫は多くの獣医師が診察を行いますが、専門病院を訪れる飼い主の多くはセカンドオピニオンとしてより専門的な知識を持っている獣医師を求めて来院すると考えられるため、めずらしい病気などのデータが広く集まります。

どうして専門病院は少ないの?

日本は専門医の概念が浸透していません。

 

欧米では、猫の眼科医や犬の内科医など、人間を診察する医者のようにそれぞれの分野に専門医がいます。専門医になるための研修施設も整っています。

 

一方で日本では、動物の医療が人間の医療と比べて重要視されておらず、獣医療は海外に大きく遅れをとっています。

獣医学科では犬や猫のほかに牛などの大型動物の勉強もするため、犬や猫を深く掘り下げて勉強することはもちろん、エキゾチックアニマルなどのめずらしい動物について学ぶことはなかなか難しいのが現状です。そのため、卒業後により専門的な知識を学ぶことのできる施設が必要です。

まとめ

獣医療と医療は同列に語ることはできずどちらが上だ下だというものではないと私たちは考えています。

獣医療を充実させる施設が増え、より多くの人が専門医になることができ、より多くの患者さんたちに専門的な獣医療を提供できるような社会になることを望んでいます。

 

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